小さきものたち
人が、小さきものたちを愛らしいと思うのは一般的なことだが、柳田国男が他の人と違うところは、小さきものたちが支えあって生きる世界を実現しようと本気で考えたことにあると思う。
たとえば、祭の巨大化・壮麗化にも反対だった。祭が巨大化するのは、人々が当事者ではなく、見物人となったからだ。
当事者であること。必要に迫られて、そこに存在すること。
小さな集まりだからこそ、全員がそのような立場で存在できる。
子供の頃に飢えて死ぬ人々を見たことが、柳田国男のその後に大きく影響している、といわれている。
貧しい人が孤立して飢えて死ぬことがないような社会を志向した結果、たどり着いたユートピアは、今になってリアリティを持ち始めたように感じる。
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