映画 コンスタンティン
2005年。アメリカ。
この世は、天国・人間界・地獄の3つの世界に別けられている。それぞれの住人が別の世界へと自由に行き来することを禁じられることで、均衡が保たれている、という。だが、地獄界から人間界へ悪魔が侵入していることに気づいた悪魔祓いコンスタンティンが悪魔と格闘する。
死後、魂は天国へ行くのか、地獄へ行くのか、ということを計算して、人間として善行を積む、という発想はぼくには滑稽にしか感じられない。だが、地獄を一度見ているコンスタンティンにはリアルな問題なのだ。キアヌ・リーブズが演じるクールなヒーローが、天国へ行きたがっている、という違和感がおもしろい。
たぶん、この映画が3つの世界を舞台としながらも、閉じられた狭い世界としか感じられない所以はそこにある。
ぼくらは、死後の世界があるかどうかも知らない。天国と地獄があるにしても、どちらに行こうがそれは結果に過ぎない。振り分ける基準がどこにあるかも、ぼくらには知りようがないのだから。
もし、その基準が明確に示されたら、ぼくらは天国行きの切符を手にするために、必死にその基準をクリアしようとするだろうか。
ああ、そんな人生だけはぼくはゴメンだ。
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