統整的理念
「たとえば、未来社会を設計してそれを実現する。通常、理念と呼ばれているのは、構成的理念ですね。それに対して、統制的理念というのは、けっして実現できないけれども、絶えずそれを目標として、徐々にそれに近づこうとするようなものです。カントが、「目的の国」とか「世界共和国」と呼んだものは、そのような統制的理念です。」(柄谷行人インタビューズ2002-2013)
現実的ではない、と批判されるか、簡単に無視されてしまうような、遠い目標、統整的理念こそ、ぼくらの社会には必要だ。
だからといって、それは夢と呼ばれて、ただ思い描くだけのものでもない。徐々にそれに近づいていくために、考えて行動しなければならない。
自分にできること。それは、グリッドフレームのスタッフを賃労働者から、自主管理できる経営者に変えることではないか。
そして、そんな人たちの集団がとても強いことを世の中に示すことではないか。
ぼくはグリッドフレームの代表だけれども、ぼくの思うとおりにスタッフたちを動かしたいと思っているわけではない。
それぞれのスタッフが自分たちで考えて、自分を活かし、会社を活かす方法を見いだし、同じ統整的理念へ向かって行動する。
利益は、それぞれの貢献度に応じてスタッフに分配される。その基準をどのように定めるかも、話し合いで決定する。
そのような体制の中で、よい空間をつくれる能力をどこまでも高めていきたい。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム