GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

映画 メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬

2005年。トミー・リー・ジョーンズ監督。

メキシコからの不法入国者を取り締まる国境警備隊員マイク。彼は、誤ってひとりのメキシコ人メルキアデスを射殺してしまうが、人目がつかない場所へ彼を埋めて、その事件を隠蔽しようとする。しかし、野生のジャッカルがそれを掘り起こしたために事件が発覚する。

遺体の身元は郊外の牧場で働くメキシコ人メルキアデス・エストラーダと判明、犯人がマイクであることもわかってしまうが、身内の犯罪であったためになかなか真相は明らかにされない。被害者が不法就労者だったこともあり、早々に遺体はふたたび埋葬されてしまう。

だがメルキアデスにはピートという親友がおり、生前「俺が死んだら故郷ヒメネスに埋めてほしい」と言い残していた。

ピートは犯人マイクに遺体を掘り出させ、彼を連れてヒメネス目指して旅立つ…。(wikipediaより)

マイクは着任したばかりで、不法入国メキシコ人に容赦なく暴力をふるう。彼にとって、不法入国メキシコ人は、ただ犯罪者であり、人格を認められないのだ。

そして、映画を観るぼくにも、不法入国者として描かれるメキシコ人はただ逃げ惑うだけで、人格を感受できない。

だが、ピートがマイクを引きずるようにしてメキシコへ入国し、そこで前半のシーンで不法入国者として描かれたメキシコ人女性と出会う。

そして、マイクは、自分が容赦なく暴力をふるったこの女性によって、命を助けられることになる。

このメキシコ人女性は、このシーンでは、明確に人格を与えられた存在として描かれる。

この鮮やかな対比が、この映画の核心をなしている。

 

今日も、ぼくの知らないところで、たくさんの人が悲惨な目に遭っている。

そんな報道をバックに、笑いながら聞き流して生きるぼくにこの映画は問いかけてくる。

 

3.11から4年が過ぎた。それを忘れようとしているぼくへも、この映画は問いかけてくる。

 

自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム

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世界にひとつの看板&ファサード/GFファサード&サイン

001@gridframe • 2015年3月7日


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