GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

時間

未来に楽しみにしていたイベントが、現在になり、そして過去になる。

現在はジェットコースターのように駆け下りて、気がつくともうひとつの思い出なって遠ざかり始めている。ぼくは、それを淋しい気持ちでながめている。

ぼくらはこのようにして時間を認識することを繰り返している。

「反復は過去のある一点からはじめるにしても、すでにわたしはその一点から、未来に向かって立つように立たねばならぬ。ちょうど、現瞬間に立ち、ただ演繹によって未来に立ち向かわねばならぬように。しかも、いかなる川がわたしを遮り、いかなる山がそばだつかもしれぬように、反復にあってもいかなる山がわたしを遮り、いかなる山がそばだつかもしれぬようであらねばならぬので、それが帰納的事実としての川であり、山であるときは、たちまちたんに想い出にすぎないものとなってしまうのである。」(森敦『意味の変容』p.108)

思い出をながめるときの淋しい気持ちを打ち消すために、ぼくは過去を凝視し、その意味を考え、未来へと活かそうとする。

それが書くことであり、空間をつくることであり、ぼくが時間に対してやれる唯一のことではないだろうか。

 

自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム

店舗内装デザインを素材とヒトにこだわって/マテリアルス

 

001@gridframe • 2013年11月26日


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