店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点
1995年。アメリカ。 アルカトラズ刑務所における囚人虐待を告発した実話に基づいた映画。 ふりかかる暴力に対し、ぼくたちには二つの反応以外にない。 抗するか、それとも、屈するか。 特に、圧倒的に不利な状況下においては、ど…
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すぐれた書物は、今より先へ続く道を探しながら書かれたものではないか、と思う。 つまり、はっきりとこういうことを書こうという結論を持って、その通りに書かれた文章からは、私にとって得られるものが少ない、と思う。 ときおり道を…
司馬遼太郎の「翔ぶがごとく」の中で、西郷隆盛の「量的に多すぎる感情」という表現がある。 徳川幕府を倒すために薩摩藩の志士を率いて奔走した西郷は、明治政府を成立するや否や、平和の時代になって地位を奪われた武士たちへの強い同…
恵比寿駅西口前の花屋Sorcery Dressingの引渡しが終わった。 例えば、一輪のチューリップの花を思い浮かべてみる。 スラリと伸びた直線的な茎の上に、やさしい円弧を描いた花弁がそっと載っている姿が見…
欠点が全く表面に出てこない人には、リアリティが感じられないように、何をつくるにしても、欠点を消し去ってしまってよいものにはならない。 そうならざるをえないことを、人は欠点と呼ぶことが多いが、それこそかけがえ…
前回、浅田真央について書いたのはちょうど4年前のバンクーバー五輪のときだった。 http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20100227 すでに4年前に到達してしまった、時間を細かく分割するこ…
例えば、ぼくはコーヒーが好きだ。 一日に3回くらいは、ハンドドリップでコーヒーを入れる。家で1回、会社で2回だ。 けれど、同じ豆を使っているにも関わらず、家で入れるときは豆が大きく膨らみ、会社で入れるときはほとんど膨らま…
1987年。フランス・西ドイツ。ヴィム・ベンダース監督。 天使は、静かな佇まいの中年男で、黒いコートを着て、それに飛べそうにないくらいの小さな羽をつけている。 街の大きな図書館が彼らのホームグラウンドだ。図書館にはいたる…
長く続くお店づくりに貢献したい グリッドフレーム(GF)は、 それを第一の目標に掲げて、15年間お店をつくり続けて 独自のノウハウを築いてきました 特に、お店の外観については、 場所性やサービスに合わせて カスタマーをど…
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム →店舗内装デザインを素材とヒトにこだわって/マテリアルス →世界にひとつの看板&ファサード/GFファサード&サイン
1996年。アメリカ。 この映画のバスキアの何が好きかといえば、他人の「作品」の上に躊躇なくペンキをのっけて、「ほうら、よくなった」と笑うところだ。 ぼくのいう「創造性の連鎖」のイメージの原形がそこにある。 それを「子供…
月は、三日月が好きだ。 姿かたちも好きだが、これから大きくなっていく、月の子供を見ているような心持になる。 低い空に浮かんで、やがて沈んでしまうが、希望を感じさせてくれる。 弓張月という言葉が好きで、ずっと三日月のことだ…
友人が、海岸の崖っぷちにたくさんの観光客が立っている写真をfacebookに載せているのを見て、そこへ立つ自分を想像する。 たぶん間違いなく、平衡感覚を失って、ぼくは海へ吸い込まれるように落下する。 クラッとする感覚。こ…
武蔵の国にきた。紫草が生い茂っているときいているその野も、いったいどこに紫草が群れているのか、よくわからない。それほどに葦や荻がたかだかと繁っていて、弓を持ち馬に乗った人に出会っても、ふりかえればもう草のむ…
装飾のないモノトーンの空間に 浮かびあがるシルエット 鉄の細くてしなやかなラインは 少しだけ複雑な黒い陰影となって 3次元から2次元へ ひとつ次元を落として 見えない印画紙へ焼き付けられる そして、その印画紙から剥がれお…
「千のプラトー」のノマド(遊牧民)という言葉について、なんとなく考えていたら、アーティスト千田泰広さんのfacebookへの投稿が目に飛び込んできた。 ネパールでは、1人の登山者は殆どいないので、過度に心配されたり、冷や…
STUDIO COOCAの関根さんと5年ぶりにお会いした。 知的障害、精神障害と呼ばれる人々の社会進出への道を切り拓くために、さまざまな試みを続けてこられた方で、平塚で創作活動を行える場所としての福祉施設を…
落書きだらけのストリート 誰もが寝静まった時間に 人目を気にしながらも そのキャンバスを我がものにしなければ という心を抑えられない そんな人間の描いた絵だけが、本物の落書き &…
饒舌が寡黙の中に融けていく 明が暗の中に融けていく 複雑が簡素の中に融けていく 装飾が非装飾の中に融けていく カラフルが無彩色の中に融けていく 書院造りが草庵の中に融けていく →自社ファクトリーでつくる店舗…
車はハイウェイの風を切って走る ずっと遠くの場所へ向かって そのために ハイウェイも 車も 緩やかな曲線の相似形を描いて できるだけ小さな風を起こしながら 高速ですべっていく その小さな風の道…
人は振り子のように、今日一方へ振れ、明日は逆の一方へ振れる、ということもある。 そのこと自体は、人であるかぎり誰でもあることだ。そのように変わる自分に驚く必要はない。 ただし、支点をしっかりと固定することだ。 これがふら…
同級生が亡くなったという知らせが届いた。 ぼくはよく知らない人だが、彼のブログがあるというので、彼のこの1年を辿ることができた。 彼が見たもの、感じたことを静かに辿っていく。 美しい自然の写真。 同じ映画を観て彼が感じた…
無限といわれたら、空を思い浮かべる人もいれば、海を思い浮かべる人もいるだろう。砂漠を浮かべる人だっているかもしれない。 深い海を思い浮かべる人は、心の中にこの群青色の風景を見ているのかもしれない。青のレイヤーが数え切れな…
波打ち際の黄金は、刻々と表情を変えていく。いったいどのくらいの種類の質感をもって表れるのだろう。 →自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム →店舗内装デザインを素材とヒトに…
アメ横でタラバ蟹を買って、家へ帰る。今日は、久しぶりに紅白歌合戦を観よう。 どういうわけか、そんな年末を過ごしたくなった2013年。 子供の頃に過ごした年末年始が懐かしくなったのかもしれない。 ぼくにとって…
長い時間をかけて考えたわりには、たどりつく答えは至ってシンプルで、まるであたりまえのようにぼくの前に横たわる。 いくつかの答えが、このようにして得られた2013年だった。 自分の中でゆるがないものが増えた、と言えるかどう…
懐かしい顔に出会うことの多い年末年始。 目の前の人の顔が誰なのかわからず、ぼんやりとした記憶の中で焦点を合わせようとする。 像を結んだ瞬間の幸福感というものがあるかもしれない。 急に懐かしさがこみ上げてきて、そんな瞬間は…
未来は必ず今よりもよくなる、と無条件に信じている人は今どれくらいいるのだろう? 生まれてからそろそろ半世紀を迎えようとしているぼくらの世代は、概して言えば右肩上がりを自明のことのように感じられる時代背景の中に生まれてきた…
久しぶりにマニュアル車に乗っている。 オートマ車が席巻する時代になって、車に乗る、ということに対する感覚はずいぶん変わったことを思い知る。 エンジンがかかりづらくて、寒い日は10分くらい前にエンジンをかけて温めなければな…
まず、「美しいものをつくりたい」という思いがありました。 ぼくの考えでは、美しいものには二つあります。それは、指一本触れてはならない美しさと、触れても価値を損なうことのない美しさ。つまり、「汚せない美」と「汚しうる美」。…