GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

匂い

生物は、まず嗅覚と味覚を発達させた。

そして、海中から陸に上がり、霊長類が生まれ、二本足で立ち上がったときに、視界が大きく開けた。この瞬間から、視覚が他の感覚に比べ圧倒的優位にたち、聴覚がこれについてきたそうだ。(参考:『匂い・鼻・病い』(栗田長吉))

そのため、嗅覚と味覚は、視覚と聴覚に比べて軽視されている。

例えば、視覚障害者、聴覚障害者は認定されているが、嗅覚障害者、味覚障害者は認定されないらしい。

嗅覚と味覚は、陰に隠れた感覚のように、まるでないかのように扱われているところがある。(陰に隠れた、という表現自体が、視覚中心の社会であることを表している)

だが、陰に隠れた感覚であるからこそ、植物の根が地表の体を支えているように、人間の体を支えているようだ。

 

人類の進化から見れば、原初的な器官に位置づけられる鼻と口。鼻と口はすぐ近くにあって、実は、嗅覚と味覚は不可分なもので、味というとき、その80%は匂いのことをいっているに等しい。

例えば、コーラから匂いをとってしまえば、砂糖水の味しかしない、と聞いたことがある。

視覚アート、聴覚アート、そして、すぐれた料理人による味覚アート。嗅覚アートは、アロマなどがあるという人がいるだろうが、前の三つに比較すると、その存在感は薄い。

だが、味覚アートとは、実は、そのほとんどが嗅覚アートなのだ。

料理を突き詰めることは、匂いを突き詰めることともいえるだろう。

 

自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム

店舗内装デザインを素材とヒトにこだわって/マテリアルス

世界にひとつの看板&ファサード/GFファサード&サイン

 

001@gridframe • 2014年4月30日


Previous Post

Next Post

コメントを残す

Your email address will not be published / Required fields are marked *

CAPTCHA