外人墓地
函館の外人墓地を訪れた。海を見下ろして肩寄せ合うように墓石が列んでいる。決して、大きな墓地ではない。
外国人(土地柄、ロシア人が多いのではないかと想像する)の墓石のみならず、ロシア正教(これも想像)に入信した日本人の墓もたくさんあった。
墓石には、「永遠の記憶」と刻まれているものが多い。これは何を意味するのだろう。
私がこの世に生きたことを永遠に記憶してもらいたい、ということなのだろうか。
それは、後世の人たちに望んでいるのだろうか。それとも、神に対する願いなのだろうか。
確かに、過去に起こったすべては確定されていて、永遠に変わることのないことだが、ぼくは自分が生きたことを、永遠に記憶されるとは思わないし、また、ぼくはそれを望んでもいない。
北の大地の寒風を受けながら、ここに生きた人に思いを馳せる。「永遠の記憶」と記すことで、彼らの魂は安らぎを得たのだろうか。
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