GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

金魚

観賞魚である金魚は、フナの突然変異により橙色のついたものが人為的に選択され、飼育・交配を重ねてつくられた魚である。 つくられた、と書いた。 wikipediaでは、「飼育・交配を重ねた結果生まれた」と書かれている。 この…

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柳の葉

  冬の間に、たった一本に切られてしまった柳の枝が、夏にはもうこんなに繁っている。 重力方向へ平行に垂れた柳の葉の束の一点パースを見たくて、ぼくは木の下へもぐりこんで上を見上げる自分を想像する。 このところ、こ…

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カブトムシ

海外のカブトムシの名前には、ギリシャ神話やローマ神話の英雄の名前が多い。 カブトムシには、世界的に「戦う昆虫」というイメージが強い、ということだろう。 しかし、個人的には実際のカブトムシが戦っている姿を見たことがない。 …

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汗をかく

全身に汗腺がある動物は、ヒトや馬など限られた種類のみだそうだ。汗には体温調節機能があるから、それらのみが長距離を走ることができるらしい。 他の動物とのその違いを利用して、ヒトは他の動物を体温が上がって動けなくなるまで追い…

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蝉の抜殻

会社への通い道で、蝉の抜殻を探しながら歩く。毎日、1個か2個は見つける。 陽向は、それを怖がって触ることができない。でも、それを見つけたがる。 ついさっきまで、命と不可分のものだった外皮は、命を解き放ち、抜殻となって取り…

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あさがお

あさがおをしげしげと眺めるのは、小学生以来かもしれない。 ぼくがピカピカの一年生だった頃、理科の授業でみんながそれぞれのあさがおを育てた。芽が出て、双葉がひろがって・・・、観察日記を書いたことを思い出す。 折りたたまれた…

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水俣病

熊本の出身でありながら、ぼくにとって水俣病は遠い世界の話に過ぎなかった。ぼくが熊本に住んだのは、高校時代と浪人時代の合計3年半に過ぎないが、そのときも誰かとの会話で話題に上ったことは一度もない。 古い友人である金大偉さん…

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ぼくの中にないもの

スタッフ002には、ぼくは右脳派だとよく言われる。 他の人にとってリアリティがあることが、ぼくには不確かに感じられることがあるかもしれない。 002から出てくるアイディアを理解できるし、評価もできるけれど、それが自分から…

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清水の舞台から飛び降りる

清水の舞台から飛び降りる、と他人から表現されるような大きな転機が人生の中にあったかどうか。 あれば、その人生は波乱万丈と呼ばれたりするだろうが、当の本人にとっては、そこで大きな決断をしたのか、ごく自然な流れでそうなったの…

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白い空

陽向が空を見上げながら歩いている。 「パパ見て見て!」と言うから、ぼくも空を見る。 「白い!」「そうだね、白いね」 梅雨の曇り空はグレーとも言えるが、言われてみればほとんど真っ白だ。 グレーだと思っていたのは、ぼくの先入…

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ビニール傘

ビニール傘を広げてまもなく、一度だけ吹いたちょっと強い風にあおられて骨がバラバラになってしまった。 ぼくは、その事象の中に、そのビニール傘を製造したメーカーの悪意を見い出さざるをえない。 傘は次々に壊れなければ、次々に傘…

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宗教

ぼくは父方の祖母が宗教に入信した背景をそれほど明確に知るわけではない。 祖父が政治家を志したから、家業である農業は祖母が一手に引き受けた。4人の男の子を育てるため、毎日を農作業に明け暮れた、と聞く。 そうやって、農地を増…

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引っ張らず、押す

学生の間に、いろいろなイベントや企画を実現してきた女の子と話をした。 「大勢を引っ張っていくのが得意なんですね。」 「いいえ、引っ張るんじゃなくて、押すんです。」 なるほど・・・。確かに、引っ張ることと、押すことは違う。…

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年輪のレコード

ドイツのアーティストBartholomäus Traubeckが、いろいろな木の年輪を読み取り、楽譜に変換して、音楽として表現しているという。 http://whats.be/4676 いかにも木が内包している音楽のよう…

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携帯

会社の携帯は、ちょっとこだわってauショップで気に入ったものを自費で購入した。 先日、その携帯にちょっとした故障が生じたので、会社の担当の方が修理に引き取ってくださった。 数日後、「修理には2万円ほどかかりますが、新しい…

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XP

4月8日を最後にXPへのサポートが打ち切られたことで、世界がどんな騒ぎになったのか、テレビのない私には、リアルな社会の反応を掴めないでいる。 いや、掴めていないわけではないのかもしれない。ネットで調べてみても、新しいOS…

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楽器と呼吸

ある本に、楽器を奏でるには、鼻で息をしなければならない、と書いてあった。 口で息をすると、音は口の中で共鳴して耳に伝わる音感が狂うそうだ。 風邪をひいて鼻が詰まったりすると、吹奏楽器だけでなく、あらゆる楽器の演奏に影響が…

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歩き疲れる

この一週間は、毎日お問合せをいただいた方々との初回打ち合わせが続いたので、外に出ずっぱりだった。 一緒に歩き回る002と、クライアントのことをできるだけ知ろうとし、ぼくらにできること、そして、ぼくらが目指すところをお伝え…

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やさしさ

やさしさとは、とがったものを丸くするようなことをいうのではないだろう。 とがったもの自体が、大きなやさしさを包含していることだってしばしばあるのだから。   →自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッド…

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海野次郎展

築地の画廊「茶の実倶楽部」で19日(土)まで、海野次郎展が開催されているので行ってきた。 描いては壊す、壊すことによって纏める、という手法をとる海野さんの絵に予定調和はない。 そこから何を見出すかは、観る者次第だ。観る者…

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リサイクル

満開の桜と一般ゴミ。今日は、近所の方々に工場を開放して、花見だそうだ。 前橋市にあるリサイクル工場、ナカダイ。こんな気持ちのいい日に、見学させていただいた。   木と紙とプラスチックを粉砕したものを混ぜた塊がリ…

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クレイジー

何かに夢中になる状態を「クレイジー」というなら、クレイジーになることは個人にとって理想的な状態だといえるだろう。 それが傍から見て気ちがいじみて見えようと、気にすることはない。   →自社ファクトリーでつくる店…

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リュック

カバンをリュックに変えた。 いつも走ることができるように、と考えたのと、流行に乗っかったのと、両方だ。 流行とは、不思議だ。以前は、恰好悪くてありえない、と感じていたものが、いつのまにか恰好よく見えている自分に気づく。 …

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記憶

そろそろ、だ。 陽向の記憶のことだ。 ぼくは、4歳くらいのことを今も少々思い出すことができる。それ以前は無理だ。 彼も、今から起こることのいくつかを一生の記憶として脳に刻むことになるだろう。 それがどれなのか、ぼくらには…

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感情

司馬遼太郎の「翔ぶがごとく」の中で、西郷隆盛の「量的に多すぎる感情」という表現がある。 徳川幕府を倒すために薩摩藩の志士を率いて奔走した西郷は、明治政府を成立するや否や、平和の時代になって地位を奪われた武士たちへの強い同…

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浅田真央と金妍児

前回、浅田真央について書いたのはちょうど4年前のバンクーバー五輪のときだった。 http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20100227 すでに4年前に到達してしまった、時間を細かく分割するこ…

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あいまい

例えば、ぼくはコーヒーが好きだ。 一日に3回くらいは、ハンドドリップでコーヒーを入れる。家で1回、会社で2回だ。 けれど、同じ豆を使っているにも関わらず、家で入れるときは豆が大きく膨らみ、会社で入れるときはほとんど膨らま…

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三日月

月は、三日月が好きだ。 姿かたちも好きだが、これから大きくなっていく、月の子供を見ているような心持になる。 低い空に浮かんで、やがて沈んでしまうが、希望を感じさせてくれる。 弓張月という言葉が好きで、ずっと三日月のことだ…

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ノマド

「千のプラトー」のノマド(遊牧民)という言葉について、なんとなく考えていたら、アーティスト千田泰広さんのfacebookへの投稿が目に飛び込んできた。 ネパールでは、1人の登山者は殆どいないので、過度に心配されたり、冷や…

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バランス

人は振り子のように、今日一方へ振れ、明日は逆の一方へ振れる、ということもある。 そのこと自体は、人であるかぎり誰でもあることだ。そのように変わる自分に驚く必要はない。 ただし、支点をしっかりと固定することだ。 これがふら…

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