GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

2013年

アメ横でタラバ蟹を買って、家へ帰る。今日は、久しぶりに紅白歌合戦を観よう。 どういうわけか、そんな年末を過ごしたくなった2013年。 子供の頃に過ごした年末年始が懐かしくなったのかもしれない。   ぼくにとって…

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自明の論理

長い時間をかけて考えたわりには、たどりつく答えは至ってシンプルで、まるであたりまえのようにぼくの前に横たわる。 いくつかの答えが、このようにして得られた2013年だった。 自分の中でゆるがないものが増えた、と言えるかどう…

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像を結ぶ

懐かしい顔に出会うことの多い年末年始。 目の前の人の顔が誰なのかわからず、ぼんやりとした記憶の中で焦点を合わせようとする。 像を結んだ瞬間の幸福感というものがあるかもしれない。 急に懐かしさがこみ上げてきて、そんな瞬間は…

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言葉の力

未来は必ず今よりもよくなる、と無条件に信じている人は今どれくらいいるのだろう? 生まれてからそろそろ半世紀を迎えようとしているぼくらの世代は、概して言えば右肩上がりを自明のことのように感じられる時代背景の中に生まれてきた…

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マニュアル車

久しぶりにマニュアル車に乗っている。 オートマ車が席巻する時代になって、車に乗る、ということに対する感覚はずいぶん変わったことを思い知る。 エンジンがかかりづらくて、寒い日は10分くらい前にエンジンをかけて温めなければな…

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グリッドフレームの背後にあるもの

まず、「美しいものをつくりたい」という思いがありました。 ぼくの考えでは、美しいものには二つあります。それは、指一本触れてはならない美しさと、触れても価値を損なうことのない美しさ。つまり、「汚せない美」と「汚しうる美」。…

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よりどころ

創業49年の居酒屋の移転をやらせていただいている。 毎年、この時季になると、昔のお客さんが遠くから集まってきてくださるそうだ。おいしい鍋料理もさることながら、開店当初から切り盛りしているおかみさんに会うことが大きな目的だ…

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サスティナビリティ

「持続可能な社会のために何が必要か」を人間の内面について考えるとき、それは「未来が人間にとって生きるに値する」という見通しだろう。 ぼくにとって、それは創造的でいられるかどうかにかかっている。だから、創造的でいられるため…

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ディズニーランド

『ディズニーランド的建築』という言葉は、20年前にアメリカの大学で建築を学んでいた頃、明らかに侮蔑的に用いられていた。 それは、ハリボテ造作物に向けて用いられていると同時に、閉じられたユートピア世界をつくりあげる思想にも…

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アラン・ウエスト

谷中の町を歩いているときに通りがかったアトリエは、大きなガラス面を通して中の日本画作品群が見えた。その建物を含めた雰囲気がとても美しく空間的で、なにか新しいものをそこに見出した感じがした。 アラン・ウエストというアトリエ…

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専業

ひとつの会社を成立させるには、時代が変わっても揺らぐことのない価値を提供できなければならない。 そのためには提供できる価値の種類を増やす、というのがひとつの選択肢だろうが、グリッドフレームは専業でいく。 「つくる」という…

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ネルソン・マンデラ

マンデラ氏については、過去2回書いた。 http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20090502 http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20111001 ステージ…

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花束

ぼくが花束を買った経験は、一生の中でも数えるほどしかない。そんな馴染みの薄いものだが、花束をつくるお店をつくることに高揚感を禁じえないのはなぜだろう。 きっと年を重ねるごとに、植物に対する興味が増しているからだろう。 人…

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東ベルリンから来た女

2012年。ドイツ。 舞台は東ドイツ。ベルリンの壁崩壊以前、東側の生活はどのようなものだったのか、が描かれる。 当然、東側にもエリートがいて、主人公バルバラは優秀な医者である。西ドイツに恋人がいて、東ベルリンにいるときに…

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同じものを見ること

陽向が一番早く覚えた言葉のひとつに、「見て~」がある。 人間には、自分の興味を持ったものを一緒にいる人と共有したいという根源的な願望があるのだろう。 でも、興味を持ったものが目の前に見えているのは一瞬で、その人が顔を上げ…

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函館山の展望台に立ち、どんよりと曇ったモノクロムの風景を俯瞰していると、遠い西側の海の一部分にだけ黄金色が輝いている。思わずぼくはその方向へ走りだしていた。 ほんの一瞬の光。いつ消えてしまうかも分からない光に向かって、ぼ…

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外人墓地

函館の外人墓地を訪れた。海を見下ろして肩寄せ合うように墓石が列んでいる。決して、大きな墓地ではない。 外国人(土地柄、ロシア人が多いのではないかと想像する)の墓石のみならず、ロシア正教(これも想像)に入信した日本人の墓も…

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