店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点
物に頼ってきたために、私たちはコミュニケーションを失ってきたのではないか? ・・・・・・・・・・ モロッコのフェズは旧市街の迷宮で有名な町だ。 迷路のような町を歩くのはどきどきする。狭い道を選んでどんどん奥へ入り込んでい…
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巨額な予算がつぎ込まれた空間は、むしろ、ある意味で手を抜かれているように感じることも多い。 ・・・・・・・・・・ ぼくにとってアラブ世界の魅力は、風化した建物と尋常ではないこだわりの幾何学模様とのコントラス…
「死」がすぐそこにあることを知っているのは、いつも子供たちだ。大人になるということは、「死」に蓋をすることに等しいからだ。 ・・・・・・・・・・ 人間をクリエイティブにする町をつくりたい。クリエイティブになるとは、「前を…
湿度の高い日本もぼんやりとした雲が多いが、水墨画的な文化、つまりすべてが背景であるかのような文化が生まれる秘密は、実は空の表情にあるのかもしれない。 ・・・・・・・・・・ 旅に出ると空を見る。 宇宙から見た地球の写真を見…
サハラ砂漠の北限は、少年の家の庭まで迫っていた。 数年前まではオリーブの木がたくさん生えていたそうだが、そのときにはもう緑は数えるほどしか残っていなかった。 近くに流れていた水路は涸れ果てて、彼らの生活は砂…
昨年シルクロードを旅行した若者から、現地の満員列車に乗った話を訊いた。 足が浮くほどの混雑の中、そのまま24時間耐えなければならなかったそうだ。 ぼくが20数年前に中国北部で列車に乗った体験に似ている。ぼくは16時間だっ…
20代のころ、ソウルへ立ち寄ったとき、小さな洋服屋へ入ったときの話。 ジャケットを選んでいたら、店主が寄ってきて、しきりに話しかけてくる。といっても、英語で値段を連呼するだけだ。 ぼくが店を出ようとすると、ぼくの袖を掴ん…
極寒の地方を流れる川は、ぼくらの知る川とは著しく異なるだろう。 20年以上前に訪れたアラスカのほぼ中央を横切るユーコン河のことを考えている。 とはいえ、ぼくの知っているユーコン河は2月から3月の、カチカチに…
楽に旅ができるということは幸せなことかもしれないが、ぼくは観光地が整備されたケニア南部よりも、その南隣の、見るべきところは勝手に探して、という感じのタンザニアの方が好きだ。 とはいっても、もう30年近く前のことだ。今はど…