店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点
マラソンで、日本の町を巡ろう、と妻が提案してきた。ぼくは大賛成だ。 その土地の歴史を知り、今を感じることで、ぼくらにできることを見いだそう、と。 熊本の八代でサロン&カフェ(5月竣工予定)をつくっている経験も含めて、ぼく…
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熊本県八代市につくるサロン&カフェの大壁実験。万物の源である、土の中を想起させるように。 →自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム →店舗内装デザインを素材とヒトにこだわって/マテリアル…
京都で学生だった頃、バー白樺の友達の若きっちゃん(若吉)から土曜日に電話がかかってきた。 「田中くん、あした空いてへんか?」 このニュートラルな質問にイエスと答えてしまったがために、ぼくは日曜日、コエタゴを洗わされること…
かたちあるもの、の力を借りる。 ぼくらが一からつくるものだけでは、空間に何かが足りない、と感じるときがある。 そんなとき、かたちあるものを空間の一部に取り込むことで、充たされるのを感じることがある。 →自社…
そろそろ、だ。 陽向の記憶のことだ。 ぼくは、4歳くらいのことを今も少々思い出すことができる。それ以前は無理だ。 彼も、今から起こることのいくつかを一生の記憶として脳に刻むことになるだろう。 それがどれなのか、ぼくらには…
2011年。デンマーク。ラース・フォン・トリアー監督。 惑星メランコリアが地球に衝突し、地球は滅亡を迎える。 メランコリア=うつ病。うつ病とはつまり、この映画のようなものなのだろうな、と理解できたことは収穫だった。 がん…
ぼくには常に周縁にいたいという欲求がある。 周縁には、中央のシステムの規制が十分に行き届かないところがあり、システムの良い部分を選択的に受け入れられる自由があるからだ。 自分で会社を興すことになろうとは、全く希望も予想も…
今までグリッドフレームについて書いてきたものを、まとめる機会があって、加筆修正を加えた。 改めて気付いたのは、ぼくはコンセプトについては書けるけれど、それを実践する方法については、淡白な文章をさらりと書く以外に能がない、…
極寒の地方を流れる川は、ぼくらの知る川とは著しく異なるだろう。 20年以上前に訪れたアラスカのほぼ中央を横切るユーコン河のことを考えている。 とはいえ、ぼくの知っているユーコン河は2月から3月の、カチカチに…
「ヘッドライトの中に入った牝鹿はヘッドライトの外に出ることを知らない。」(森敦『意味の変容』) 車から必死に逃げるが、ヘッドライトの外へ出ると、今度は暗闇を怖れるのか、すぐに舞い戻る、という。 生きることを求めて光に向か…
戦争は果てしなく続いていた。 国境の広大な原生林では、もう戦闘はすっかり日常的なものになり、皆、死を賭けているという感覚すら失っているようにも見えた。 それもそのはずで、ぼくら兵士たちが生まれた年には、すでに戦争は始まっ…
浸透圧により液体を吸い上げていくのを2日ほど放置して、グラデーションの効果とランダムなラインが布地に描かれた。 →自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム →店舗内装デザインを素材とヒトに…
1995年。アメリカ。 アルカトラズ刑務所における囚人虐待を告発した実話に基づいた映画。 ふりかかる暴力に対し、ぼくたちには二つの反応以外にない。 抗するか、それとも、屈するか。 特に、圧倒的に不利な状況下においては、ど…
すぐれた書物は、今より先へ続く道を探しながら書かれたものではないか、と思う。 つまり、はっきりとこういうことを書こうという結論を持って、その通りに書かれた文章からは、私にとって得られるものが少ない、と思う。 ときおり道を…
司馬遼太郎の「翔ぶがごとく」の中で、西郷隆盛の「量的に多すぎる感情」という表現がある。 徳川幕府を倒すために薩摩藩の志士を率いて奔走した西郷は、明治政府を成立するや否や、平和の時代になって地位を奪われた武士たちへの強い同…
恵比寿駅西口前の花屋Sorcery Dressingの引渡しが終わった。 例えば、一輪のチューリップの花を思い浮かべてみる。 スラリと伸びた直線的な茎の上に、やさしい円弧を描いた花弁がそっと載っている姿が見…