GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

奇抜

熊本空港から実家まで10数キロある。 今まで交通手段はいつも車だった。空港から大津駅まで空港ライナー。大津駅から実家まではレンタカー。 今日、空港での空港ライナーの待ち時間が30分。コーヒースタンドでコーヒーを飲んで時間…

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風の丘

阿蘇の大野勝彦美術館を訪れた。風の丘という名前もついている。 25年前に、農作業の途中に両腕を失って以来、失われた腕に義手をつけて、書と絵を描いてきた人だ。 自分を励ますために描いた絵と言葉が、人を励ます。 今までどれだ…

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Vanilla再訪

5月に完成した熊本県八代市のcafe/esthetic & hair salon Vanillaを訪れた。 cafeでコーヒーとシシリアンライスをいただいたが、細かいところへの配慮が感じられる質の高いサービスがと…

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藪の中

蔓を採りに藪の中へ分け入った。 これほど深い藪の中へ入るのは、初めてのことだ。 林道から数メートルしか入っていないのに、もう道がどの方向にあるか分からない。 あけびの蔓を絡まった立木からほどく作業を始める。複雑に絡まり合…

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道祖神

(wikipediaより転載) ぼくが「道祖神」という言葉を初めて知ったのは、20歳の頃に、アフリカを旅しようと志して買ったガイドブックに「道祖神」という名前の旅行会社が紹介されていたときだ。 調べてみると、「道祖神」と…

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現実

想像通りの現実などない、と言い切ってもよいと思う。 有限実行し、たまたまその通りの結果を得られたとしても、それは言葉の範囲だけの話で、現実は言葉よりもはるかに複雑で、たかが一人の人間がコントロールできるような代物ではない…

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あけびの森

プロジェクトであけびの蔓を使うことになって、買えるものを探したけれど、欲しいと思っている荒々しさを保ったものが見つからなくて、自分たちで山に採りに行くことになった。 野沢温泉であけびの蔓の工芸品をつくっている方をネットで…

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宙に浮いた観念

日曜日にも仕事が入って、幼い子供を児童施設へ預けに行く朝。子供は施設の入口で笑顔でバイバイと手を振る。 その笑顔を仕事への情熱に変換する親。その情熱は信じるに値する。 一方、世界のため、真理のため、などということを組織は…

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抽象化

知るということは、すでに知っていることを発見するということである。いいかえれば、現にすでにやっていることを知ることだ。そうでない知識などはなにものでもない。(柄谷行人『柳田国男試論』p.49) それぞれが知っている過去に…

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予算と素材

プロジェクトの予算は多いに越したことはない。 ただ、予算が十分な場合、クライアントの要求がぼくを困らせることがある。 たとえば、こんなときだ。 大理石張りの空間イメージをクライアントが欲しい、と思っているとする。 ぼくら…

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変えられるもの

あとの世代にとって、明治時代に確立された諸制度は、既成のものとして動かしがたく映っていたとしても、柳田(国男)にとってはつねに変形可能なものでしかなかった(柄谷行人『柳田国男論』p.31) 何を「変えられるもの」と考える…

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人に対する興味

「他者を手段としてのみならず、目的としてあつかえ」 この言葉を反芻する必要もなく、実践している人もたくさんいるだろう。 だが、哲学でこれを語る必要があるのは、他者を手段としてのみあつかってしまう人がいるからだ。 「わたし…

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小さいものの時代

小さな母体でビジネスをしようとしている人と飲んだ。 「今度、小さいものの時代になったら、もう大きいものの時代は二度と来ないかもしれない。」とぼくが言った。 「そう。大量生産よりひとつひとつつくられた方が質が高い、ってこと…

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感覚

  奥行きのある壁。   →自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム →店舗内装デザインを素材とヒトにこだわって/マテリアルス →世界にひとつの看板&ファサード/GFファサード&サイ…

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映画 25時

2002年。アメリカ。スパイク・リー監督。 ニューヨークの麻薬ディーラー、モンティが逮捕され、7年の判決を受けた。彼の収監までの25時間を描く。 取り返しのつかない過去を乗り越えて、未来へ向かって生きるために、彼は何をす…

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金魚

観賞魚である金魚は、フナの突然変異により橙色のついたものが人為的に選択され、飼育・交配を重ねてつくられた魚である。 つくられた、と書いた。 wikipediaでは、「飼育・交配を重ねた結果生まれた」と書かれている。 この…

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地元

長い間、同じ場所で仕事を続けてこられて、「地元に恩返しをしたい」と店舗をつくるクライアントがいらっしゃる。金儲けは二の次の、地元に必要とされる場を提供したい、という心から出店されるようなお店だ。 柄谷行人の10年前くらい…

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柳の葉

  冬の間に、たった一本に切られてしまった柳の枝が、夏にはもうこんなに繁っている。 重力方向へ平行に垂れた柳の葉の束の一点パースを見たくて、ぼくは木の下へもぐりこんで上を見上げる自分を想像する。 このところ、こ…

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カタログ

プロジェクトの複数の椅子を、女性スタッフ006と一緒にカタログから選んでいたら、2時間くらいで疲労困憊した。 気がつくと、006は最初とあまり変わらない様子で、活き活きと選んでいるように見える。 これは、どこかで見たこと…

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カブトムシ

海外のカブトムシの名前には、ギリシャ神話やローマ神話の英雄の名前が多い。 カブトムシには、世界的に「戦う昆虫」というイメージが強い、ということだろう。 しかし、個人的には実際のカブトムシが戦っている姿を見たことがない。 …

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汗をかく

全身に汗腺がある動物は、ヒトや馬など限られた種類のみだそうだ。汗には体温調節機能があるから、それらのみが長距離を走ることができるらしい。 他の動物とのその違いを利用して、ヒトは他の動物を体温が上がって動けなくなるまで追い…

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映画 運動靴と赤い金魚

1999年。イラン。 お使いの途中で妹の靴を失くしてしまった少年アリ。 貧しい家計では新しい靴は買ってもらえない。失くしたことは親には内緒で、妹と自分の靴をシェアすることに・・・。 イランの庶民の暮らしぶりが分かり、楽し…

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