店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点
人は、知らないうちに、後悔の種を増やしながら生きて、年を重ねていく。 ・・・・・・・・・・ 1984年。フランス。 20世紀の初め、自然豊かなパリ郊外に老画家が家政婦と共に暮らしている。ある初秋の晴れた日曜…
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2005年。トミー・リー・ジョーンズ監督。 メキシコからの不法入国者を取り締まる国境警備隊員マイク。彼は、誤ってひとりのメキシコ人メルキアデスを射殺してしまうが、人目がつかない場所へ彼を埋めて、その事件を隠蔽しようとする…
2002年。フィンランド。アキ・カウリスマキ監督。 冒頭から独特の空気を感じた。すぐに、5年前に観た「街のあかり」を思い出した。 http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20100305/ 2…
2005年。アメリカ。 この世は、天国・人間界・地獄の3つの世界に別けられている。それぞれの住人が別の世界へと自由に行き来することを禁じられることで、均衡が保たれている、という。だが、地獄界から人間界へ悪魔が侵入している…
2012年。西川美和監督。 5年間二人でやってきた小さな居酒屋を火事で失った夫婦が、もう一度店を持つために、数々の結婚詐欺を企てる。 きっかけは酔った勢いで浮気をした夫に対する妻の嫉妬だった。妻は夫に与える罰として、結婚…
2009年。 「見て。あのピエロの顔。あんなに愉しそうに笑ってる。あんなに愉しそうにしている人が落ちるわけないじゃない。落ちたって、きっと怪我なんてしないわ。」 空中ブランコのピエロを見上げながら、美しい母が言う。 何が…
2004年。井筒和幸監督。 差別をされる者と差別をする者。この両者は、逆差別という言葉で表されるように、簡単に入れ替わる。そして、争いが起こる。 だが、いつの世も、この2通りのみに分かれることは決してない。必ず、差別をし…
2003年。池脇千鶴・妻夫木聡主演。 目の前にいるのに、向こう側が透けて見えるような二人の関係。 別れが来ることを知っている同士で過ごす日々は、静かに波が寄せる海のように、すべてがまぼろしのように輝いて見える。 その延長…
2000年。フランス。 中年夫婦が南フランスへ休暇旅行中、浜辺で最愛の夫が消える。自殺か、事故か、家出か・・・。 妻は家の中に夫のまぼろしをつくり出し、一緒の生活を続ける。 夫を信じたい気持ちは、夫の裏切りへの(無自覚な…
2002年。アメリカ。スパイク・リー監督。 ニューヨークの麻薬ディーラー、モンティが逮捕され、7年の判決を受けた。彼の収監までの25時間を描く。 取り返しのつかない過去を乗り越えて、未来へ向かって生きるために、彼は何をす…
1999年。イラン。 お使いの途中で妹の靴を失くしてしまった少年アリ。 貧しい家計では新しい靴は買ってもらえない。失くしたことは親には内緒で、妹と自分の靴をシェアすることに・・・。 イランの庶民の暮らしぶりが分かり、楽し…
2005年。ベルギー・フランス。 バックに流れる音は、いつも都会の喧騒。登場人物に対して、無関心な音の洪水。 若いカップルに子供が生まれた。おめでとう、と言ってくれる人は誰もいない。夫は、貧困の中、盗みで生きてきた。知り…
2007年。アメリカ。 自分で使い果たせる以上に、金を求める欲はどこから来るのだろう? 一攫千金を夢見て、金を掘る。そして、石油を掘る。掘ったら、また次を掘る。 大会社が油田を大金で買いたいと言ってきても断…
2009年。アメリカ。 淡々としたストーリーは好みだが、人間描写はあまりキメの細かいものとは感じなかった。 大学で文学教師として働く青年オマーは、博士号を取得して大学との契約を延長するため、自殺した作家ユルス・グントの伝…
1990年。アメリカ。 生きる屍のようにしか見えない病から、突然目が覚める。話す、笑う、歌う、踊る・・・。 しかし、ちょうど夏が終わるように、また動かない心と体へ戻っていく。 それは、人の一生をひとつの季節に凝縮したよう…
2010年。アメリカ・スペイン。 息子が旅先で死んだという知らせを聴いた初老の医者が、息子の遺灰を箱に入れて彼の歩こうとした道を歩き始める。 最初から最後まで、主人公は歩き続ける。景色を見るわけでもない。目的は、息子の遺…
2008年。ブルガリア。 祖国を失う、ということは、記憶を失うに等しい、という着想から、この映画はつくられたのだろう。 だから、失った記憶を取り戻すために、祖国へ帰る旅へ出るのだ。 前田有一という人がこの映画について書い…
2011年。イタリア・フランス・アイルランド。 何かが変だ。主人公はそう言い続ける。 主人公は、とうの昔に引退したロックミュージシャンで、豪邸に住み、メイクだけは昔のままで過ごしている。 主人公の父親の葬儀で、主人公は3…
ラース・フォン・トリアー監督。 DVDの不具合で、ラスト20分がどうしても観れない。最後まで観ないで、何かを書くなんて失礼なことだが、たぶん何らかの奇跡が起こるのだろう。 妻の犠牲によって、夫は死を逃れることができるのか…
2010年。メキシコ。ハビエル・バルデム主演。 余命2ヶ月と宣告されたウスバル。彼は生活のために裏社会で生きており、妻との離婚後、二人の幼い子供を育てている。 セネガルや中国からの不法滞在者に仕事を斡旋するのが彼の仕事だ…
2010年。韓国。イ・チャンドン監督。 一人の女子中学生アグネスが橋の上から川へ身を投げた。 初老の女性ミジャは、娘から預かって育てている男子中学生チョンウクの遊び仲間6人グループが数ヶ月間に亘って彼女を輪姦していたこと…
2011年。デンマーク。ラース・フォン・トリアー監督。 惑星メランコリアが地球に衝突し、地球は滅亡を迎える。 メランコリア=うつ病。うつ病とはつまり、この映画のようなものなのだろうな、と理解できたことは収穫だった。 がん…
1995年。アメリカ。 アルカトラズ刑務所における囚人虐待を告発した実話に基づいた映画。 ふりかかる暴力に対し、ぼくたちには二つの反応以外にない。 抗するか、それとも、屈するか。 特に、圧倒的に不利な状況下においては、ど…
1987年。フランス・西ドイツ。ヴィム・ベンダース監督。 天使は、静かな佇まいの中年男で、黒いコートを着て、それに飛べそうにないくらいの小さな羽をつけている。 街の大きな図書館が彼らのホームグラウンドだ。図書館にはいたる…
1996年。アメリカ。 この映画のバスキアの何が好きかといえば、他人の「作品」の上に躊躇なくペンキをのっけて、「ほうら、よくなった」と笑うところだ。 ぼくのいう「創造性の連鎖」のイメージの原形がそこにある。 それを「子供…
2012年。ドイツ。 舞台は東ドイツ。ベルリンの壁崩壊以前、東側の生活はどのようなものだったのか、が描かれる。 当然、東側にもエリートがいて、主人公バルバラは優秀な医者である。西ドイツに恋人がいて、東ベルリンにいるときに…
2009年。フランス・日本。 フォーク歌手・友川カズキのドキュメンタリー映画。 深夜3時に目が覚めたときに観るにはちょうどよかったかもしれない。フランス人監督が、かっこよく撮る友川カズキ。絶叫する歌が、水彩画に溶け込むよ…
2010年。フランス。 1942年、パリでユダヤ人が大量検挙された。そのときに小さな弟を守ろうと彼を納屋に隠して鍵をかけた少女サラ。 「すぐに開けるから」という約束を守るために、収容所を脱走して納屋の鍵を握り締めてパリの…
2010年。デブラ・グラニク監督。 ミズーリ州南部。保釈中に失踪したリーの父親が翌週の裁判に出廷しないと、彼女たちが住んでいる家が没収される。リーは父親を自分で捜すために、親類や知人を訪ねる・・・。 アメリカ中部の田舎町…
2009年。アメリカ。 アナ・フェッツジェラルドは白血病の姉ケイトのドナーとして、遺伝子操作で生まれてきた。アナはケイトのために臍帯血、輸血、骨髄移植などでケイトの犠牲となってきた。アナが13歳の時、腎移植を拒み、両親を…