GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

道祖神

(wikipediaより転載) ぼくが「道祖神」という言葉を初めて知ったのは、20歳の頃に、アフリカを旅しようと志して買ったガイドブックに「道祖神」という名前の旅行会社が紹介されていたときだ。 調べてみると、「道祖神」と…

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現実

想像通りの現実などない、と言い切ってもよいと思う。 有限実行し、たまたまその通りの結果を得られたとしても、それは言葉の範囲だけの話で、現実は言葉よりもはるかに複雑で、たかが一人の人間がコントロールできるような代物ではない…

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あけびの森

プロジェクトであけびの蔓を使うことになって、買えるものを探したけれど、欲しいと思っている荒々しさを保ったものが見つからなくて、自分たちで山に採りに行くことになった。 野沢温泉であけびの蔓の工芸品をつくっている方をネットで…

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宙に浮いた観念

日曜日にも仕事が入って、幼い子供を児童施設へ預けに行く朝。子供は施設の入口で笑顔でバイバイと手を振る。 その笑顔を仕事への情熱に変換する親。その情熱は信じるに値する。 一方、世界のため、真理のため、などということを組織は…

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抽象化

知るということは、すでに知っていることを発見するということである。いいかえれば、現にすでにやっていることを知ることだ。そうでない知識などはなにものでもない。(柄谷行人『柳田国男試論』p.49) それぞれが知っている過去に…

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予算と素材

プロジェクトの予算は多いに越したことはない。 ただ、予算が十分な場合、クライアントの要求がぼくを困らせることがある。 たとえば、こんなときだ。 大理石張りの空間イメージをクライアントが欲しい、と思っているとする。 ぼくら…

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変えられるもの

あとの世代にとって、明治時代に確立された諸制度は、既成のものとして動かしがたく映っていたとしても、柳田(国男)にとってはつねに変形可能なものでしかなかった(柄谷行人『柳田国男論』p.31) 何を「変えられるもの」と考える…

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人に対する興味

「他者を手段としてのみならず、目的としてあつかえ」 この言葉を反芻する必要もなく、実践している人もたくさんいるだろう。 だが、哲学でこれを語る必要があるのは、他者を手段としてのみあつかってしまう人がいるからだ。 「わたし…

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小さいものの時代

小さな母体でビジネスをしようとしている人と飲んだ。 「今度、小さいものの時代になったら、もう大きいものの時代は二度と来ないかもしれない。」とぼくが言った。 「そう。大量生産よりひとつひとつつくられた方が質が高い、ってこと…

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感覚

  奥行きのある壁。   →自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム →店舗内装デザインを素材とヒトにこだわって/マテリアルス →世界にひとつの看板&ファサード/GFファサード&サイ…

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映画 25時

2002年。アメリカ。スパイク・リー監督。 ニューヨークの麻薬ディーラー、モンティが逮捕され、7年の判決を受けた。彼の収監までの25時間を描く。 取り返しのつかない過去を乗り越えて、未来へ向かって生きるために、彼は何をす…

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金魚

観賞魚である金魚は、フナの突然変異により橙色のついたものが人為的に選択され、飼育・交配を重ねてつくられた魚である。 つくられた、と書いた。 wikipediaでは、「飼育・交配を重ねた結果生まれた」と書かれている。 この…

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地元

長い間、同じ場所で仕事を続けてこられて、「地元に恩返しをしたい」と店舗をつくるクライアントがいらっしゃる。金儲けは二の次の、地元に必要とされる場を提供したい、という心から出店されるようなお店だ。 柄谷行人の10年前くらい…

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柳の葉

  冬の間に、たった一本に切られてしまった柳の枝が、夏にはもうこんなに繁っている。 重力方向へ平行に垂れた柳の葉の束の一点パースを見たくて、ぼくは木の下へもぐりこんで上を見上げる自分を想像する。 このところ、こ…

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カタログ

プロジェクトの複数の椅子を、女性スタッフ006と一緒にカタログから選んでいたら、2時間くらいで疲労困憊した。 気がつくと、006は最初とあまり変わらない様子で、活き活きと選んでいるように見える。 これは、どこかで見たこと…

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カブトムシ

海外のカブトムシの名前には、ギリシャ神話やローマ神話の英雄の名前が多い。 カブトムシには、世界的に「戦う昆虫」というイメージが強い、ということだろう。 しかし、個人的には実際のカブトムシが戦っている姿を見たことがない。 …

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汗をかく

全身に汗腺がある動物は、ヒトや馬など限られた種類のみだそうだ。汗には体温調節機能があるから、それらのみが長距離を走ることができるらしい。 他の動物とのその違いを利用して、ヒトは他の動物を体温が上がって動けなくなるまで追い…

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映画 運動靴と赤い金魚

1999年。イラン。 お使いの途中で妹の靴を失くしてしまった少年アリ。 貧しい家計では新しい靴は買ってもらえない。失くしたことは親には内緒で、妹と自分の靴をシェアすることに・・・。 イランの庶民の暮らしぶりが分かり、楽し…

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蝉の抜殻

会社への通い道で、蝉の抜殻を探しながら歩く。毎日、1個か2個は見つける。 陽向は、それを怖がって触ることができない。でも、それを見つけたがる。 ついさっきまで、命と不可分のものだった外皮は、命を解き放ち、抜殻となって取り…

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あさがお

あさがおをしげしげと眺めるのは、小学生以来かもしれない。 ぼくがピカピカの一年生だった頃、理科の授業でみんながそれぞれのあさがおを育てた。芽が出て、双葉がひろがって・・・、観察日記を書いたことを思い出す。 折りたたまれた…

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小さきものたち

人が、小さきものたちを愛らしいと思うのは一般的なことだが、柳田国男が他の人と違うところは、小さきものたちが支えあって生きる世界を実現しようと本気で考えたことにあると思う。 たとえば、祭の巨大化・壮麗化にも反対だった。祭が…

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遠くのものを近くに見る

このタイトルで書くのは2度目だ。 ぼくは、遠くのものを近くに見ている、という感覚を得たとき、認識的にひとつ前進するような気がしている。腑に堕ちる、というのも、そのひとつだろう。 ぼくがずっと読んできた柄谷行人の著作は、お…

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value designing

value engineeringという言葉がある。土木・建築の用語で、設計や施工の中で、 価値(value)=機能(function)/コスト(cost) を最大化する工夫を行うことをいう。 アメリカ発だが、日本でも盛…

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ライフワーク

世界で起こっていることや考えられていることに強い関心を持ったとき、そのことと自分の行動を関連付けるためには、なにが必要なのだろう。 人生にライフワークを持ちたい、と思うだけではライフワークは手に入らない。 生きていく中で…

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映画 ある子供

2005年。ベルギー・フランス。 バックに流れる音は、いつも都会の喧騒。登場人物に対して、無関心な音の洪水。 若いカップルに子供が生まれた。おめでとう、と言ってくれる人は誰もいない。夫は、貧困の中、盗みで生きてきた。知り…

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親子

今も、親分・子分という言い方が残っているが、それは労働組織を擬似家族的にするものであるかに見える。しかし、実はその逆である。オヤとコは本来、親分と子分の意味であった。父や母は、ウミノオヤ、つまりオヤの一種である。父母をオ…

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通底器

「通底器」という言葉をどこかで見たことがあった。 ぼくは京都で学生だった頃、自動車免許を米子で取った。合宿免許と呼ばれる制度で、2週間ほど旅館で寝泊りをして自動車学校に通うと免許が取れる、というものだった。たぶん、最も安…

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水俣病

熊本の出身でありながら、ぼくにとって水俣病は遠い世界の話に過ぎなかった。ぼくが熊本に住んだのは、高校時代と浪人時代の合計3年半に過ぎないが、そのときも誰かとの会話で話題に上ったことは一度もない。 古い友人である金大偉さん…

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映画 there will be blood

  2007年。アメリカ。 自分で使い果たせる以上に、金を求める欲はどこから来るのだろう? 一攫千金を夢見て、金を掘る。そして、石油を掘る。掘ったら、また次を掘る。 大会社が油田を大金で買いたいと言ってきても断…

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SUN Tama bar

  このバーのオーナー、長谷川さんは、最初のインタビューで伊豆の観光地を訪れたときの話をされた。 「おみやげ屋の商売根性がすごいんです」 ああ、観光地へ行くとそれっていやですよね、と返そうとすると、 「それがと…

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