GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

どこかにある風景

どうしてもそこに行きたいと思う風景はある。まだ見ぬ、きっと、どこかにある風景だ。 ・・・・・・・・・・ メディアが発達したことで、直接見たことはないかもしれないが、写真や映像では見たことのある風景が溢れている。 ぼくぐら…

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店舗という歴史をつくる

どのようなプロジェクトにも「歴史をつくる」という側面があるのだ。 双方がそれを自覚しているか否か、が一体感のカギになる。 ・・・・・・・・・・   いつも人は、一緒にいる人の鏡だ。   だから、ある人…

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男と女

男は他人の身になって考えようとするが、女は考えるのを飛び越えて他人の身になってしまう ・・・・・・・・・・ 高瀬泰司さんの「いのちのせんたく」という本の中で、男は他人の身になって考えようとするが、女は考えるのを飛び越えて…

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日本にアメリカにあるような店がデザインされない理由について思い浮かぶこと

ぼくが空間デザインを愛する理由は、空間デザインは、小説や映画のようなジャンルと同じく、私の中の自然発生的なアイディアをかたちにすることが許されるジャンルであるからだ。 ・・・・・・・・・・ クライアントから「アメリカにあ…

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入り乱れる

ぼくには「入り乱れる」社会は「分かたれた」社会よりはるかに倫理的に映る。   ・・・・・・・・・・ 何かイベントを仕掛ける側と、それに来るお客さん側が、同じ目的を共有したとき、両者の境界をお互いが越えて「入り乱…

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REW

機器がデジタルになって欠けているのは、無意識の中の経験であるかもしれない。   ・・・・・・・・・・ 「REW」という表記を見なくなって久しい。 これは、カセットテーププレイヤーの「巻き戻し」のボタンに表記され…

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新しいマテリアルス

 技術が高いほど、意図したものとは別に、感性によって見い出されるものが数多く眠っているのかもしれない。   ・・・・・・・・・・ 今年に入って、マテリアルスの内容を何度も吟味し、更新してきた。 現在たどり着いた…

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出る/入る

外と内は、視点によって容易に入れ替わる。   ・・・・・・・・・・ 建物から通りへ「出る」。この場合に、「出る」という言葉しか使えないように思う。 しかし、例えば、建物から通りの人混みの中へ「入る」と言えば、お…

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GECKO(ヤモリ)

ヤモリは今夜も月を見ているのだろう   ピクリともせず、窓にはりついて 月を背景にそのシルエットを浮かび上がらせている   すっかり月を見なくなった人間の代わりに 家の守り神となって、 きっとヤモリと…

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カタログから選ぶのはきらいだ

空間の主要な部分を生の素材からつくることが、グリッドフレームのつくりかたの特徴だ。 できれば、カタログからは選びたくない。 選ぶという行為と、つくり出すという行為とは、本質的に頭を使う部分が違う。 つくり出すためには、現…

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マテリアルス実験工場のHP

<クライアントの心を素材で表現し、想いをかなえる> 1. 挑戦するクライアントのために マテリアルス実験工場は、㈱グリッドフレームの核となるつくり方を支える一プロジェクトです。 1998年創業の㈱グリッドフレ…

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限界を超えるためのシステム(デザインビルドの究極のかたち)

デザインとビルドが分かれている場合、もちろんビルド側もよいものをつくろうとしてきただろう。 だが、その場合の最大の問題点は、ビルド側が「常識の枠にとらわれる」ことである。 ここでいう「常識の枠」とは、倫理やアートの問題に…

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デザインビルド

グリッドフレームのHPの冒頭を次のように変更した。 ぼくらを理解してもらうためには、デザインビルドという言葉で紹介するのが、一番分かりやすいと思うからだ。 +++++++++++ デザイン-ビルド(Design-Buil…

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weathering

(photo by Eiji Kakugawa) 2013年秋に完成したKojima for Beautyの外壁。その後に降った数え切れない雨が、モルタルの表面にあるカルシウムを溶かして、縦にたくさんの白い線を引く。 時…

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リアクション

上流から来たものに対して、リアクションとしての制作を連鎖していくのが、『創造性の連鎖』のつくるあり方だ。 リアクションの楽しみは、使う素材の幅を広げることによって、さらに増大する。 ある素材が持っている個性は、ぼくらによ…

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もう一つのリアリティ

例えば、映画や本で拷問のシーンに遭遇すると、鳥肌が立つ。そこで誰かが傷つけられると、自分が傷ついたようにどこかで痛みを感じる。 それは、もう一つのリアルな体験といってもいいかもしれない。 ぼくらがおそらく一生の中で体験し…

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美容室 Hoek Hoek

ぼくらは一生のうちにどのくらいの数の本を読むことができるだろう? たぶん図書館にある本の中のほとんどは、 ぼくにとっては背表紙を拝むだけの存在にすぎない それぞれの本はその内に秘めた世界を持ち、 読まれることによって初め…

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関係

空間とは、物と物の間にある空気のことをいうのだから、つまり関係のことをいうのだと学生のときに教わった。 失敗している店舗空間の代表的なものは、「関係」を感じられない空間である。 例えば、スカスカした印象の空間は、ある要素…

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手描きの空間

ぼくはパースの線を手で描くことにしているが、それは手で描く線のゆらぎを空間に反映したいという想いからだ。 昨日お越しになったクライアントは、バーの看板に使う手描きのスケッチをお持ちくださった。 そうそう、このようなスケッ…

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甲州屋

40年以上も経った、時間がつくりだした重厚な空間が取り壊しに決まり、新しい店舗へ。 老舗が新しい時間を刻んでいく空間は、どのようにあるべきか。 その一つの方法は、この老舗を担う人たちに焦点を当てることだ、と考えた。 その…

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BARnik TOKYO

(photo by Masato Yamazaki) 私たちが摂取する食料を宇宙から探す、という認識は、地球上も宇宙の中にある限り、間違っていない。 今後、食料を得るために地球から外へ出ることだって、考えられないことでは…

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こもりつつ、見られる

ぼくは、学生時代からずっと、自分が考えるための空間の条件について考えてきた。 その答えが、一般的なものかどうかわからないが、確信をもって言えることがひとつある。 それは、勉強や仕事に集中するためには、どこかに他人の目が必…

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DECO CHOCO

(photo by Harumi Takai) 渋谷・スペイン坂にDECO CHOCOが完成した。 いつものグリッドフレームとは一味も二味も違うプロジェクトだったが、担当の008は、クライアントと意気投合してノリノリだっ…

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BARnik TOKYO

人間ひとりひとりを中心として、無限に広がる宇宙。 そこから、体によいものを選んで、口へ運ぶことによって、だれもが生きている。 私たちは宇宙をさまよい、今日も体によいものを探している。 そして、可能性を秘めた物体を見つけて…

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何もしない

古くてボロボロだからこそ、なにもしない、というリフォームの選択肢が際立ってくるように思う。 空気がよい、というところまで持っていけば、それでじゅうぶんだろう。 耳を澄ませば、多くを語りかけてくれて、目を凝らせば、多くを発…

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闇市

闇市という言葉を聴くと、生命力という言葉が連想される。 実際に、どのようなものかは想像の中だけだが、決して嫌いではない響きがそこにある。 「戦後のどさくさ」と呼ばれる混沌の中で、法的手続きを経ることなく行われていた商行為…

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廊下

だれもがアクセスできる廊下があったら、ことごとくギャラリーとして開放したらよい、と思う。 snsの時代になったから、人に知らせること自体は難しくないし、お金をかけなくてもよい時代になってきたのだから。 見せる場所として意…

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fragra

御徒町のダイニングバー、fragra(フレグラ)を引き渡した。 名前の通り、「匂い」がコンセプトの源泉で、匂いを徹底的に追究された料理やお酒を愉しめるお店になる。 生物は進化の過程でまず、嗅覚と味覚を発達させた。人間は二…

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コンクリート/木/鉄

この素材の組み合わせで空間をつくることは、直球をズバンと投げ込むような感じで、気持ちがよい。 これら以外の材料は、多少変化球を感じさせる。 コンクリート/木/鉄でつくられるひとつの空間の中で、個人的に同じかたちをリピート…

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something from somebody

アンティークショップsfs antiqueを引き渡した。 sfsとは、something from somebodyの略だ。 「誰かから来た何か」・・・アンティークをそう捉えた瞬間に、ひとつひとつのものに刻まれた歴史がイ…

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