こもりつつ、見られる
ぼくは、学生時代からずっと、自分が考えるための空間の条件について考えてきた。
その答えが、一般的なものかどうかわからないが、確信をもって言えることがひとつある。
それは、勉強や仕事に集中するためには、どこかに他人の目が必要だ、ということだ。
だから、学生時代は図書館で勉強したし、今もある程度、人目につくような位置に机を置いている。
その人目は、不特定な人からの目がよい。その人はぼくを見ているかもしれないし、見ていないかもしれない。
けれど、背後から見られるのは嫌だ。背後にはできれば壁がほしい。見られるなら、前か、横からだ。
もちろん、ある程度、こもった環境がよい。
だから、四方に壁があるとすれば、背後だけは不透明な壁で、前・横の三方はガラスの壁がよい。
同じ高さよりは、少し下からの目線がいい。見下ろされるのは落ち着かない。
そして、ときどきフッと息をついて、ガラスの外を眺めて、目を休める。
こもりつつ、見られる、という環境の仕事部屋がほしい。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム