限界を超えるためのシステム(デザインビルドの究極のかたち)
デザインとビルドが分かれている場合、もちろんビルド側もよいものをつくろうとしてきただろう。
だが、その場合の最大の問題点は、ビルド側が「常識の枠にとらわれる」ことである。
ここでいう「常識の枠」とは、倫理やアートの問題に属するものだ。表現に関して、ビルド側はいつも保守的なのだ。
この問題は、ほとんどのプロジェクトの遂行自体を邪魔しないので、無自覚で、いつも陰に隠れてきた。
その結果として、ぼくらは同質的な街並みの中で暮らすことになってしまっている。そして、そんな空間に、もうたくさんだ、と感じている。
もちろん、デザインビルドにおいても、デザインとビルドは、いわゆる夢と現実のせめぎあいをくりかえす。
それは、同じ人間のなかですら、そうなのだ。
だが、究極のデザインビルドのかたちである「創造性の連鎖」の中においては、そのせめぎあいの中で、今までの限界をちょっとでも超えようとする企てが可能になる。
今後、外部のさまざまな方々に、ぼくらの「創造性の連鎖」の中へ入っていただくプロジェクトをたくさん実施していきながら、そのシステムの過程とそれがつくりだす空間を体感していただきたい。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム