GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

ボルネオの空

湿度の高い日本もぼんやりとした雲が多いが、水墨画的な文化、つまりすべてが背景であるかのような文化が生まれる秘密は、実は空の表情にあるのかもしれない。

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旅に出ると空を見る。

宇宙から見た地球の写真を見ると、地球のどこにいても空は同じような表情をしているのではないか、と想像してしまうけれど、場所によってびっくりするくらい空の表情は様々である。

例えば、東南アジアの高湿高温の空はいつも雲の輪郭がすこしぼんやりしている。くっきりとした雲のかたちは、世界中で山のある地方によく見られるが、その中でも南米の空には、雲が異様なほどの存在感でたたずんでいる。輪郭がはっきりしいると同時に、低い位置にあるからかもしれない。なんだか、雲が背景としておさまってくれない。雲すら主役の位置にあるような感じである。

湿度の高い日本もぼんやりとした雲が多いが、水墨画的な文化、つまりすべてが背景であるかのような文化が生まれる秘密は、実は空の表情にあるのかもしれない。そのような文化はアジア的ともいえる。

その日も、ボルネオのジャングルの中にある小さな集落にはスコールがやってきた。雨が止んだ後、ぼーっとした表情の空に、突然、主役が現れる。

2本の虹!

001@gridframe • 2015年5月5日


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