製造業
例えば、本田宗一郎もそうではないかと思うのだが、創業者が実際に手を動かしている間に経営者も兼ねていると、そのときは大会社にはならない。
大きな組織ができるのは、経営に専念する人と、実務に専念する人が分かれた後だと思う。
自分がいいと思うものをつくり続けるか、それとも、会社を大きくするか、自らものをつくる社長の会社が中小企業から大企業に変わっているならば、きっと社長にその選択のときがあっただろう、と想像する。
両立はしないはずである。
空間づくりの会社であるぼくらは、町工場といわれる小さな製造業の会社にたくさんお世話になっている。そのほとんどが、社長自ら実務に関わっていらっしゃる会社だ。
そんな会社だからこそ、その仕事を信じることができる。
ビジネスの目的が利潤追求だと言い切る人々には鼻で笑われるかもしれないが、これからの社会を考えるとき、自分がいいと思うものをつくり続けることこそ、重要だと思う。
小さな会社で働くことが誇りになる時代が、そう遠くない先にきっとくると信じている。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム