奇抜
熊本空港から実家まで10数キロある。
今まで交通手段はいつも車だった。空港から大津駅まで空港ライナー。大津駅から実家まではレンタカー。
今日、空港での空港ライナーの待ち時間が30分。コーヒースタンドでコーヒーを飲んで時間をつぶしていたら、ふと「家まで走ればいいじゃないか」という考えがよぎる。
次の瞬間にはもう走り出していた。走り出した途端に強い雨が降り始める。
上がろうとする体温を、冷たい雨がさましてくれて気持ちがよい。
ずぶぬれになって走りながら、自分のこんな奇抜な行動を心から喜んでくれる家族がいたことがぼくの人生をつくる原動力になったことを実感した。もちろん、ぼく自身がそんな自分を本来の自分だと信じている。
ぼくは家族に喜んでもらいたいという気持ちでここまで生きてきたのだろう。
案の定、実家に着いたとき、母はぼくが子どもの頃のままに、うれしそうにびっくりしてくれた。
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