映画 ジョゼと虎と魚たち
目の前にいるのに、向こう側が透けて見えるような二人の関係。
別れが来ることを知っている同士で過ごす日々は、静かに波が寄せる海のように、すべてがまぼろしのように輝いて見える。
その延長にある静かな別れの後に泣き崩れる自分を、去った男は予想できない。
哀しみは突然襲ってくる。全てが終わってしまった後に。
去られた女は、ときおり宙を見つめるが、泣き崩れることはない。
貝殻になって海の底をコロコロ転がる。そして、それもよいかな、と。
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