GF001のコンセプトノート

店舗内装デザインを手がけるグリッドフレーム001の視点

映画 過去のない男

2002年。フィンランドアキ・カウリスマキ監督。

冒頭から独特の空気を感じた。すぐに、5年前に観た「街のあかり」を思い出した。

http://d.hatena.ne.jp/yogosiurubi/20100305/

2006年につくられた「街のあかり」は、淡々と負け続ける男が主人公だったが、この映画でもいきなり冒頭から、公園でうたた寝しているところを暴漢3人組に襲われる。

身ぐるみを剥がされたうえに、記憶も失った男の再生を描いた映画ともいえるが、男は淡々としていて熱を感じさせない。

悔しがったり、泣いたりすることは決してない。

男は土を掘って、ジャガイモを植えるが、収穫した5個のうち、1個を分けてくれ、という友人の頼みを断る。

3個をタネイモにして、2個は彼女を夕食に招くのに使うからだ、と淡々と説明する。

きっと監督は、<男=ジャガイモ>として描いたのだろう。

人生は前へ進む。だから、植物のように、収穫の準備を着々と土の中で進める。

気高く生きる、とはきっとそういうことだ。

 

 

自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム

店舗内装デザインを素材とヒトにこだわって/マテリアルス

世界にひとつの看板&ファサード/GFファサード&サイン

001@gridframe • 2015年2月21日


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