映画 BiUTIFUL
余命2ヶ月と宣告されたウスバル。彼は生活のために裏社会で生きており、妻との離婚後、二人の幼い子供を育てている。
セネガルや中国からの不法滞在者に仕事を斡旋するのが彼の仕事だ。彼はピンハネ呼ばわりされるが、悪人ではない。
どうすれば、誰もが不安なく生きられるのか?非合法な行為に手を染めながらも、彼の問いは誰よりも誠実で、そして切実だ。
監督は、彼の泥沼の中の誠実さをbiutifulと表現したのだろう。
一方で、ウスバルは死者と会話する霊能力を持っている。このことは、この男の人生にどのような影響を与えているのだろう?
死者の魂を鎮める心は、映画の登場人物たちの心も鎮めることができる。映画に登場する多くの弱者たちは、苛酷な現実を前にしても、彼を信頼する。そして、彼を信頼した者の人生は美しく映る。
同様に、映画を観る者も、彼に対する信頼によって、心を鎮められる。
この世の底を描いたような映画だったが、むしろ普遍的ともいえる希望が胸に残る。
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