距離
ある小説を好きという人は、実は小説の中に入り込むことなく、自分を安全地帯において、遠くの風景を眺めるが如く、それを読んだ人だったりする。
そして、その小説を嫌いという人は、小説の中に入り込んでしまい、そこに描かれる世界を自分の世界のように体験した人だったりする。
書く人にとって、どちらを成功といえるのだろう?
ぼくは、迷わず後者を成功としたいと思う。
対象との距離感を失わせることにこそ、書く者の狙いはあるだろう。
また、そのように読まれなければ、その人の人生を揺るがすこともないだろう。
空間もそのように感受されるものをつくりたい。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム