ミニスキュルの昆虫
子供と映画館で観て、「ああ、フランス的だな」と心の中でつぶやいたミニスキュル。
その後、しばらく忘れていたのだが、ぼくの中で何かが引っかかっていたらしい。
何かがモヤモヤして、何気ない時間を過ごす中で映像が突然湧いてくるのだ。
その正体は、「いったい何がフランス的なのか。」という問いだったらしい。
問いは、答えが突然に示されたときに、初めて明らかになる。
というわけで、答えが出た。
それは、「アリの触角」である。
アリの触角はキャラクターとしてデフォルメされるときに、ともすると付属的なパーツとして扱われるものだと思う。
しかし、この映画の中では、この細くて華奢なパーツが最も重要な機能を持つように描かれる。(実際、生物学的にはそうだろうけれど。)
一見付属的なパーツが、生命をつかさどる主要なパーツとして、しかもさりげなく描かれる、という「逆転」がフランス的なのだ。
こうして、自分の中の「フランス的」なるものの定義づけがなされていく。
それが一般的である必要はないから、他人に同意を求めるつもりはない。
自分がミニスキュルの昆虫たちに感じた魅力を、自分に対して再現できる手がかりを得られれば、それで十分なのだ。
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