抽象化
知るということは、すでに知っていることを発見するということである。いいかえれば、現にすでにやっていることを知ることだ。そうでない知識などはなにものでもない。(柄谷行人『柳田国男試論』p.49)
それぞれが知っている過去について自分が明瞭化すること。抽象化すること。定義すること。それが知る、ということだ、と語られている。
すでに定義されたことや抽象化されたことを鵜呑みにすることを「知る」とは呼ばないらしい。
常に、自分は何も知らない者として、何ごとに対しても初めて出会った者として抽象化を試みること。そして、そうやってなんらかの答えを得たとしても、それは仮説に過ぎない。そう認めること。
どうやら、一生何かを知っているなんて、言えそうもない。
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