authentic
たとえば、オーセンティック・バーといわれる店がある。基本的にはスコッチウイスキーを飲むためのバーで、カウンターがメインになっている。バックバーにはボトルが並び、カウンターは木でつくられている。
オーセンティックという言葉は、「伝統的に本流の」という意味合いで使われていて、そこから派生して様々なタイプのバーがつくられているという視点がある。
実際には、イギリス以外にも、イタリアのバールや、スペインのバルなど、各国のバーのスタイルがあるが、どうして英国式がオーセンティックと呼ばれるかというと、やはり格式を重んじる国ということがあるだろうし、なにより日本人にとってオーセンティックと呼ぶにふさわしいイメージがそこにあるからだろう。
クリエイティブに空間をつくろう、というときにオーセンティックという言葉は道の真ん中に立ちふさがる鬼のように映る。
規則にしばられてガチガチの状態に見える中で、どのように創造力が入り込む隙間を見つけるか。
難しい作業だが、隙間を突き破ったときの歓喜は、それだけ大きい。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム