勢い
ぼくたちの仕事は、時間をかければよい空間ができる、というものではない。
つねに、ひねり出したアイディアが旬であることが重要で、それが創造性の連鎖を引き起こす条件だからだ。
「今、目の前にあるアイディアをかたちにしたい」とアイディアを引き継いだ人間が高揚しながら、彼自身のアイディアを重ねていく。
「鉄は熱いうちに打て」という言葉通り、心が熱いうちにつくりを進めていかなければ、よい空間にはならない。
だから、融資などの問題でプロジェクトに「待った」がかかると、つくり手の心のコントロールは難しくなる。
アイディアの検討などという時間が長すぎると、それは改善であるどころか、アーティストから羽をもぎ取る致命的な改悪になりかねない。
ぼくらは、いつも前を向いてつくる。検討のときも、後ろを見ながら、同時に前を向かねばならない。
そのようにしてつくられたものでなければ、訪れる人をどこかへ連れて行ってくれるような空間はできない。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム