満員列車
昨年シルクロードを旅行した若者から、現地の満員列車に乗った話を訊いた。
足が浮くほどの混雑の中、そのまま24時間耐えなければならなかったそうだ。
ぼくが20数年前に中国北部で列車に乗った体験に似ている。ぼくは16時間だったが、その中で80歳くらいのお婆さんがずっと立っていたのに衝撃を受けた。
「お婆さんもいたでしょう?」「はい」
こんなことはきっと現地の人にとっては序の口なのだろう。
先進国と呼ばれる国に生まれれば、こんな経験は多分一生に一度あるかどうか、の話だ。
こんな状況が日常化している国へ行くと、この拷問に近い状況に耐えられるメンタリティが身についている庶民に対して、怖れにも似た敬意を感じざるをえない。
何百万人の老人が、こんな状況をものともしないで生きているのだろう?
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