あけびの森
プロジェクトであけびの蔓を使うことになって、買えるものを探したけれど、欲しいと思っている荒々しさを保ったものが見つからなくて、自分たちで山に採りに行くことになった。
野沢温泉であけびの蔓の工芸品をつくっている方をネットで探し当てて電話したら、その近くの山にたくさんあると教えてくださった。
「わざわざ300km以上も離れたとこまで来なくても、東京の近くの山でもたくさんあるよ」とアドバイスをいただいたが、確実に見つける自信がないため、覚悟を決めて野沢温泉へ向かった。
野沢温泉へ着いて、その方を訪ねると、山へ連れて行っていただき、私たちも採ったが、ほとんどはその方たちで集めてくださった。親切が心に沁みる。
あけびの森は、予想していたよりもはるかに見つけにくく、東京近郊で自力で探す方法を選ばなかったことを幸運に思った。
あけびの森は身動きが不自由なくらいに足元から高いところまで蔓が絡まっている。
よろよろしながら分け入って、絡まる蔓をほどく作業に、なぜか時間の感覚を失うくらいのめりこむ可能性を感じた。
→自社ファクトリーでつくる店舗デザイン空間/グリッドフレーム