映画 ウインターズ・ボーン
2010年。デブラ・グラニク監督。
ミズーリ州南部。保釈中に失踪したリーの父親が翌週の裁判に出廷しないと、彼女たちが住んでいる家が没収される。リーは父親を自分で捜すために、親類や知人を訪ねる・・・。
アメリカ中部の田舎町の得体の知れなさが、観ているぼくの顔を硬直させる。この町には笑顔がない。幸せな人はどこにもいないかのような町。
貧しさのためか、クスリの製造に手を出し、取り調べで口を割った父親は、組織の掟により殺害されていた。
救いのない共同体の泥沼。17歳の少女リーの目が歳をとる。
このような土地にしばらく暮らすと、夢だとか、愛だとか、そんな言葉がとても空虚に感じられるようになるだろう。
映画を観終わったぼくが、しばらくそんな気持ちになったくらいだから。
だが、こんな環境で夢や愛が生まれたとしたら、逆に、それはとてつもなく強固なものかもしれない。
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